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応用編: データ連携フローを作ってみよう

この章では、具体的なフローを構築しながら実習を進めていくことで、さまざまなコンポーネントの使い方を実践的に学んでいきましょう。

3.1 準備

以降の実習で利用するデータベースやメールサーバとの接続設定(コネクション設定)をこの節でまとめて行います。

3.1.1 データベースの設定

実習では、データベースとしてMDBファイルを使用します。 MDBファイルは、Microsoft Accessが用いるファイル形式ですが、今回の実習では特にAccessは必要ありません。

実習用に「[HOME]/input_data/asbook.mdb」というデータベースファイルを用意しました。 これをWindowsに登録すれば、データベースとしてASTERIAからアクセスできるようになります。 それでは、asbook.mdbをデータベースとしてWindowsに登録してみましょう。

スタートメニューから、[設定]→[コントロールパネル]→[管理ツール]を開きます。

管理ツールのウィンドウから「データソース(ODBC)」を開きます。

そうすると、「ODBCデータソースアドミニストレータ」というデータソースの管理画面が開きます。 ここで、「システムDSN」タブを選択して追加ボタンを押します。

「データソースの新規作成」というウィザードが始まりますので、「Microsoft Access Driver (*.mdb)」を選択して「完了」ボタンを押します。

「ODBC Microsoft Accessセットアップ」というウィンドウが開きます。 まず、「データソース名」のフィールドに「asbook」と入力します。 ここで設定した名前は、あとでASTERIA管理コンソールにコネクションの設定を行うときに使います。 次に「選択」ボタンを押して、先ほど確認した「[HOME]/input_data/asbook.mdb」を選択すれば、設定は完了です。

「OK」ボタンを押して、ダイアログを閉じます。 「ODBCデータソースアドミニストレータ」の画面に戻ったら、システムデータソース一覧に「asbook」という名前で登録されていることを確認してください。

問題がなければ、「OK」ボタンを押して設定を完了しましょう。

3.1.2 メールサーバの設定

実習では、メールの送受信を例として取り上げます。 そのときメールサーバが必要になります。 普段使っているメールボックスを利用してもいいのですが、この本の実習のために大事なメールを誤って消してしまったりする事故を避けるために、自分のPCにメールサーバをインストールしましょう。

(1) メールサーバのインストール

ここでは、フリーソフトウェアのメールサーバ、BlackJumboDogを利用します。エクスプローラから、添付CDの「\BlackJumboDog\setup.exe」を実行して、インストーラを立ち上げます。

インストール先を選択します。ここでは、そのままの設定で次に進みます。

プログラムフォルダの入力画面が開きます。ここも、そのままの設定で次に進みます。

インストールが完了しました。

さっそく、BlackJumboDogを立ち上げてみましょう。スタートメニューから[プログラム]→[Black JumboDog]→[Black JumboDog]を実行します。

立ち上がったら、メニューの[設定]→[メールサーバ]を選択して、メールサーバの設定画面を表示します。

ここで「メールサーバを使用する」にチェックを入れると、さまざまな設定を行うタブが表示されます。

まず「基本設定」タブの「ドメイン名」の項目に、適当なドメイン名を入れます。ここで設定したドメイン名は、メールアドレスの「@」以降のドメイン名に使われます。たとえば、「user@example.net」というメールアドレスの「example.net」の部分を設定するわけです。ここでは、「example.net」と設定しておくことにします。

次に「利用者」タブを選択します。

ここでユーザを作成します。ここでは、以下のような設定でユーザを作成します。

  • アカウント: user
  • パスワード: user
  • コメント: 実習用ユーザ

各項目を入力して「追加」ボタンを押すと、ユーザが登録されます。

これでメールサーバの設定は完了しました。 「OK」ボタンを押して、ダイアログを閉じましょう。

(2) メールサーバに接続してみる

設定が終わったら、さっそくメーラで接続してみましょう。ここでは例として、Outlook Expressを使います。

まず、Outlook Expressを立ち上げ、メニューの[ツール]→[アカウント]を選択します。

アカウントのリスト画面が表示されますので、[追加]→[メール]を選択して、メールアカウントの追加ウィザードを開始します。

ここでは、以下の設定を順に行っていきます。

  • 表示名: 実習用ユーザ
  • 電子メールアドレス: user@example.net
  • 受信メールサーバの種類: POP3
  • 受信メールサーバ: localhost
  • 送信メールサーバ: localhost
  • アカウント名: user
  • パスワード: user

アカウントの表示名を入力します。

メールアドレスを入力します。

受信メールサーバと送信メールサーバを入力します。

メールサーバにログインするときに必要な、アカウント名とパスワードを入力します。これでメールアカウントの設定は完了です。

(3) サーバに接続してみる

さて、メーラの設定が終了したので、実際にサーバに接続してみましょう。Outlook Expressのメインウィンドウのツールバーの「送受信」ボタンを押してみましょう。

Outlook Expressは、サーバに接続し、新着メッセージのチェックを始めます。

先ほど設定を終えたばかりでメールボックスにはまだメールがたまっていないので、新着メッセージを見つけることができずに、元の画面に戻ってきます。

ここでエラーが表示される場合には、エラー内容をよく読み、BlackJumboDogが立ち上がっているか、メールサーバが有効になっているか、Outlook Expressのアカウント設定が間違っていないか、確認してください。

さて、ここで自分に対してメールを送信してみましょう。ツールバーの「メールの作成」を押し、メッセージの新規作成ウィンドウを開きます。

まず、「宛先」に「user@example.net」と自分自身のメールアドレスを入力します。「件名」と「本文」は、何でも構いませんので、お好きなように入力してください。入力が終わったら、「送信」ボタンを押して、メールを送ってみましょう。

今送ったメールは自分宛に送ったので、メールサーバにある自分のメールボックスに届いています。 「送受信」ボタンを押して、サーバに接続し、メールボックスを確認してみましょう。

受信トレイに、先ほど送ったメッセージが届いていることがわかります。これで、メールサーバがきちんと動作していることが確認できました。

3.1.3 ASTERIA管理コンソール(ASMC)の使い方

ASTERIAサーバの設定をするためには、ASTERIA管理コンソール(ASMC)を利用します。ASMCでは、アカウントの作成、ログの確認、各プロセスの起動・停止など、運用やメンテナンスに関わる作業を、ウェブブラウザ上から行うことができます。

ではさっそく、ASMCを使ってみましょう。

ASMCにアクセスするためには、スタートメニューから[プログラム]→[ASTERIA Server 3]→[ASTERIA Server Management Console]を選択します。

そうすると、ウェブブラウザが立ち上がり、ログイン画面が表示されます。

画面が表示されない場合には、ASTERIAサーバが立ち上がっているかどうか、確認してください。右上にユーザ名とパスワードを入力する欄がありますので、ここにユーザ名「asu」と、インストール時に設定したパスワードを入力して、ログインボタンを押してください。

asuは、ASTERIAサーバの管理者アカウントで、「ASTERIA Super User」を略したものです。 Unixの root、Windowsの Administratorと同じ役割を果たします。

ログインが成功したら、システムログ画面が表示されます。

3.1.4 RDBコネクションの登録

実習では、データベースにMDBファイルを使います。ASTERIAからMDBファイルにアクセスするためには、RDB(リレーショナルデータベース)コネクションの設定を行う必要があります。ASMCのメニューの一番上に表示されている[設定]をクリックして、RDBコネクションの設定画面に移動しましょう。

ここで「新規」ボタンを押して、RDBコネクションの登録画面に移動します。

フォームに、以下のように設定内容を入力します。

  • 接続名: asbook
  • データベースタイプ: MSAccess(ODBC)
  • ドライバー: sun.jdbc.odbc.JdbcOdbcDriver (デフォルト)
  • URL: jdbc:odbc:asbook
  • ユーザ名: (空白)
  • パスワード: (空白)
  • コネクションプール: false
  • 権限: (空白)

入力が終わったら、「システムに新規作成」ボタンを押して、RDBコネクションを登録しましょう。登録が成功すれば、「asbook」という接続名のコネクションがリストに追加されます。

リストの右側に並んでいる「Test」アイコンをクリックすれば、RDBコネクションの接続テストが実行されます。クリックしてみましょう。

このように、JDBCドライバ名、JDBCドライババージョンが表示されていれば、接続は成功です。これで、ASTERIAからMDBファイルに接続できるようになりました。

コネクションとは

ASTERIAでは、データベースやFTPサーバなどの接続先を「コネクション」として一元管理しています。コネクションとして管理する接続先には、以下のようなものがあります。

リレーショナルデータベース(RDB) Oracle, DB/2, SQLServer, Access, Sybase, PostgreSQL
メールサーバ SMTP, POP3, IMAP4
FTPサーバ FTP
ウェブサーバ HTTP
XML DB Tamino, NeoCore, eXcelon
その他 Notes, JNDI, JMS(MQ)

このようにコネクションを一元管理する理由は、次の通りです。

  • 接続先が変わったときの設定変更が簡単
  • フローがアクセスしている接続先を把握できる

もし、コネクション機能がなく、データベースへの接続情報(サーバ名、ポート番号、ドライバクラス名、JDBCの接続URIなど)を、それぞれのRDBコンポーネントに個別に設定していたら、かなりの手間がかかるでしょう。しかし、コネクションとして一元管理されていることで、Connectionプロパティを選択するだけで、つなぎたいデータベースに接続することができます。

さらに、接続先をまとめて変更したいときも簡単です。複数のフローでRDBコンポーネントを使っている場合に、もしデータベースサーバのホスト名が変わって、接続先を変更しなければならなくなっても、ASMC(ASTERIA管理コンソール)でコネクションの設定変更をするだけで、接続先をまとめて変えることができるのです。

3.1.5 SMTPコネクションの登録

実習では、メールを送受信するためにメールサーバを使用します。ASTERIAからメールを送受信するためには、SMTPコネクションとPOP3コネクションの設定を行う必要があります。

まず、SMTPコネクションを登録しましょう。ASMCのメニューの[設定]→[コネクション]→[インターネット]をクリックして、左側のメニューから[SMTP]を選択します。

ここで「新規」ボタンを押して、SMTPコネクションの登録画面に移動します。

フォームに、以下のように設定内容を入力します。

  • 接続名: asbook_smtp
  • ホスト名: localhost
  • ポート番号: 25
  • 認証: none
  • タイムアウト: 60
  • 権限: (空白)

入力が終わったら、「システムに新規作成」ボタンを押して、SMTPコネクションを登録しましょう。登録が成功すれば、「asbook_smtp」という接続名のコネクションがリストに追加されます。

リストの右側に並んでいる「Test」アイコンをクリックすれば、SMTPコネクションの接続テストが実行されます。クリックしてみましょう。

このように接続結果確認が表示されていれば、接続は成功です。これで、ASTERIAからSMTPサーバに接続できるようになりました。

3.1.6 POP3コネクションの登録

次に、POP3コネクションを登録しましょう。続けて、左側のメニューから[POP3]を選択します。

ここで「新規」ボタンを押して、POP3コネクションの登録画面に移動します。

フォームに、以下のように設定内容を入力します。

  • 接続名: asbook_pop3
  • ホスト名: localhost
  • ポート番号: 110
  • ユーザ名: user
  • パスワード: user
  • 認証: プレーンテキスト
  • タイムアウト: 60
  • 権限: (空白)

入力が終わったら、「システムに新規作成」ボタンを押して、POP3コネクションを登録しましょう。登録が成功すれば、「asbook_pop3」という接続名のコネクションがリストに追加されます。

リストの右側に並んでいる「Test」アイコンをクリックすれば、POP3コネクションの接続テストが実行されます。クリックしてみましょう。

このように接続結果確認が表示されていれば、接続は成功です。これで、ASTERIAからPOP3サーバに接続できるようになりました。